くらし・手続き
町では平成30年度より、ふるさと納税の寄付金を活用して、海藻が極端に減少する「磯焼け」が深刻化する島勝浦の海域で、地元漁業者、島勝浦区、三重大学、NPO法人SEA藻、三重外湾漁協、町などで構成する島勝浦活動組織を立ち上げ、藻場再生事業を実施してきました。
この事業では、海藻が茂る「藻場」を再生し、海藻を餌にする魚、サザエやアワビなどの貝類、魚の産卵や成育の場所を増やすことを目的に、磯焼けの原因になっているガンガゼ(ウニの一種)を駆除しました。
島勝漁港の北側と西側の2カ所で、8月11日と9月22日、23日の3日間、SEA藻とボランティアダイバーを中心に、延べ55名が参加し、合計約3万6千個のガンガゼを駆除しました。駆除活動のほか、三重大学が海底の生態調査を定期的に行い、事業の効果を検証しています。
2年目は潜水調査を8回、駆除活動を3回行い、延べ53名が駆除活動に参加し、合計3万3千個のガンガゼを駆除しました。
引き続き潜水調査とガンガゼ駆除活動を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、調査は2回の実施に留まり、ガンガゼ駆除活動については中止が決まりました。
三重大学生物資源学研究科の倉島彰准教授は「島勝浦周辺の海域において、確実に回復傾向がみられる。藻場を再生するうえで、3年間という期間は短く、より長期的な調査の継続が望ましいことから、令和3年度から水産多面的機能発揮対策事業で、引き続き、活動を継続していけたら」と話しました。
今年度は満足な調査ができていないものの、藻場の生育環境については順調な回復傾向が確認されています。
三重大学の調査研究報告書の内容は以下のリンクファイルのとおりです。
令和2年度紀北町共同研究 藻場再生のための調査研究報告書(三重大学生物資源学研究科 藻類学研究室)(PDFファイル:1.9MB)
3か年の町事業としての活動が終わり、令和3年度以降は、水産多面的機能発揮対策事業(国庫交付金事業)により、継続して潜水調査と、ガンガゼ駆除活動を行う予定です。今後、活動海域を増やすことも視野に入れて、豊かな海の再生に取り組んでいきます。